「ミーティングスキル」

「ミーティングスキル」
(ファシリテーターズクラブ会員よりの投稿)

朝日監査法人
ファシリテーターズクラブ会員
市川一郎氏

ファシリテーターズクラブ会員  朝日監査法人、市川一郎氏が雑誌に寄稿されたものをご本人の了承を得て転載させていただきました。

皆さんは、社内外の会議や研修、懇親会等の場面でスピーチや発言をする機会が多いことと思います。不思議なもので、Eメールが普及すればするほどフェースTOフェースの関係も増えてくるようです。今回は、社内等でよく行われるブレイン・ストーミング・ミーティングのあり方について考察してみようと思います。

ここでいうブレイン・ストーミング・ミーティングとは、「ある目的を達成するためにさまざまな意見を出し合って、その中から合意を形成して結論を導き出す会議」を言います。日常的にやっている会議であり、当たり前すぎて今さら考える余地などないとお思いかもしれませんが、しばらくお付き合いください。

ブレイン・ストーミングの構成メンバーは、課内・部内・部課を横断する場合、社外の人もいる場合等、いろいろ考えられますが、ここでは、社内で部課を横断するやや大きなブレイン・ストーミング・ミーティング(15人から30人)を想定してみます。

会議には、以下のアイテムを盛り込みます。
1.目的(PURPOSE)
2.議題(AGENDA)
3.会議ルール(GUIDE LINE)

これをサンプルベースで具体的に示せば、例えば以下のようになりましょう。

1. 目的(PURPOSE)

我が社が環境ビジネスに参入すべきかどうか(参入するとすればどういうビジネスに向かうべきか)を取締役会に進言する。

2. 議題(AGENDA)

1) 導入(INTRODUCTION)

2) チーム組成(TEAM PREPARE):5人前後を1チームとします。したがって、15人の会議であれば3チームとなりましょう。

  • A)会社の視点からメリット・デメリットを検証するチーム
  • B)社会の視点からメリット・デメリットを検証するチーム

3) 各チームのアイデアを会議体内で発表して共有する。

4) 現在の環境ビジネスが今の日本の社会でどのようにワークしているか議論する。

5) 環境ビジネスがよりよく機能するための方策を議論する。

6) 全般的な質疑を経て取締役会への進言内容を多数決する。

3. 会議ルール(GUIDE LINES)

  • すべての人が会議に参加すること(Everyone participate)
  • 他のアイデアや視点に関心を持つこと(Be open to other ideas and viewpoint)

会議のルールを浸透させるためには、ファシリテーター(会議進行者)の役割が重大です。欧米では、そのためのプロのファシリテーターが職業として確立しているくらいです。また、チーム組成を取ることも会議のルールにしたがったものです。チーム内でのディベートが会議への参加意識を高め、どうしても大勢の前では発言しにくいことも解消されます。
また、話のリズムが出てくれば、全体会議でも話しやすい雰囲気が醸成されましょう。

ファシリテーターについてもう少し言及したいと思います。私が会議で体験したプロのファシリテーターは魅力的な女性でしたが、会議の各参加者の態度を非常に良く観察していて、ホスピタリティをもって議事進行中の意見・感想・質問等の発言を各参加者から引き出します。複数の参加者が同時に発言しようとしたときなどは、誰と誰が発言したがっているということを見ていて、活発な参加者が先に発言した後にでも、より控えめな参加者(私)に発言を促すべくファシリテーターとして意見を求めます。「気配りのすすめ」という本がありましたが、そんな感じです。

日本の会社は会議が多い、しかも意思決定に時間がかかるとの国際評価があるようですが、会議のやり方そのものにもう少し投資して、例えばファシリテーターの存在についても意識して再考してみることお有意義ではないかと思います。

いかがでしたでしょうか。新世紀にあたり、今後の会議運営のご参考となれば幸甚です。