ファシリテーター型リーダーシップの実現に向けて

われわれが、フランリースの『ファシリテーター型リーダーシップ (プレジデント社)』を日本に紹介し、ファシリテーターズクラブ を立ち上げてから7年。ファシリテーター型リーダーがますます注目を集めています。

今回は、「背負い込みから脱却、支援上手で組織力向上」をご紹介します。

「ファシリテーションの必要性」を口にする経営者が増えています。 ジョンソン・エンド・ジョンソンでは幹部研修で「カリスマになるな」と教えられます。あるいは、強烈なカリスマ経営者として知られたスズキ(株)会長の鈴木修氏は、70歳を過ぎてから、「これからはチーム経営だ」と言い出しました。 これらの背景には、カリスマ型経営者の限界が見え隠れしています。
・不確実性と複雑さが高まる今日において、ひとりの人間が全てを見通すことは難しい
・カリスマ型リーダーは近寄りがたく、現場の情報があがってこなくなる
・周囲の人間がカリスマ頼みになり、主体的に物を考えなくなる
・後継者が育たない

経営者に限らず、職場でも自分で全てを背負い込んでいるリーダーは少なくありません。そのようなリーダーのスタイルは、リーダー自身も疲弊するし、メンバーたちには「やらされ感」が募る一方となります。 リーダーだけが解を示して引っ張ったり、一方的に指示伝達するば かりでなく、メンバーたちにも考えさせ、議論をさせて、意思決定に関与させることが求められます。 例をあげてみましょう。 それまで牽引型リーダーシップを発揮していた、ある業務改善プロジェクトのリーダーであるA氏は、ある日思い切って次のように切り出 してみました。 「役割分担を見直して、より良い方法を皆で考えたい。これまでの役割分担についてどう思っているか聞かせてください」 メンバーたちは一瞬驚きましたが、一人またひとりと意見を述べ始め、やがて全員での議論に発展し、最終的には以前より業務負荷のバランスのよい役割分担となったのはもちろん、プロジェクトに対するメンバーの当事者意識や一体感も格段に高まったといいます。